上智大学担

上智大学在学アイドルと上智大学院卒アイドルのオタク

マリウス葉さん21歳のお誕生日と、all this timeという曲の話

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このブログを更新した本日2021年3月30日はSexy Zoneのメンバー マリウス葉さんの21歳のお誕生日。
 
Sexy Zoneがデビューする以前から嵐を中心にゆる~くジャニーズを見ていたわたしは、当時からマリウスさんのことを茶の間オタとしてひっそりと見ていた。
幼い頃から妖精のように可愛らしいマリウスさんだけれど、ここ数年は『社会に対する高い意識を持ち、発信しようとする聡明な人』という認識でいて「アイドルのファンとして推す」というより、尊敬できる著名人を見るような気持だったと思う。
 
 
アイドルのファンとして推すことになったきっかけは、2020年3月に発売されたSODA(佐藤勝利さんと一緒の)だと思う。ツイッターで流れてきた表紙の画像を見て、そのあまりの美しさに釘付けになった。
 
 
正真正銘、この世で一番美しいと思った。
 
 
頭の中の美しさが、そのまま身体や、髪の毛や、瞳の美しさ、それから生き方の美しさとなってにじみ出ていて目が離せなかった。
 
そこからさらにマリウスさんの考え方や生きる姿勢を深く知って(SPURの連載は毎号神回でした……超感謝)、過去のライブ映像で様々なパフォーマンスを見て、日々美しさの最高記録を更新し続けるお姿を追いかけるようになり、少年から青年へと大人になっても変わらない笑うとハート形になる口元とか、知れば知るほど彼の持つ魅力のとりこになっていた。
気づけば私はn年間の茶の間ファンを経て、松島聡さんが復帰したその日にマリウス葉さん激推し人間としてSexy Zoneのファンクラブに入会した。
 
 
そして迎えた生配信ライブ「POP×STEP!? TOUR 2020」
わたしはマリウスさんが歌う「all this time」に命を救われることになる。
 
そもそもマリウスさんは歌がうまい、と私は思っている。伸びやかな声で、ピッチが正確だし、声に嫌味がまったくない。
いつまでも聴いていたくなった私は一時期マリウスさんのDeja-vuを四六時中リピートしていた。それくらい彼の歌声には言いようのない魅力を感じている。
 
そんな彼が歌う「all this time」は、とうに子どもから大人になってしまっていた私に、あまりにも染み入った。
体の中にある器という器、隙間という隙間にマリウスさんの言葉と歌声がダバダバと注がれている感覚だった。曲を聴いただけで"こう"なっているのに、実際にマリウスさんが歌う姿を見たらどうなってしまうんだ、という恐ろしいくらいの期待を胸に配信を楽しみにしていた時、
 
 
実家に帰省していたわたしは自分の運転する車に父親を乗せて交通事故を起こした。
2020年10月24日の午後。
ほかに相手のいない単独事故でわたしと同乗していた飼い犬は怪我もなく無事だったけれど、助手席に乗っていた父親に腰椎骨折という大怪我を負わせてしまう。
 
父親は入院し、犬とふたりで父親の退院を待つさなかの配信ライブとなった。
事故を起こしてからから毎晩、救急車に乗せられる動かない父親の夢を見て起きる。最初の数日は自分の体も(無事とはいえ)打撲で痛くて、それから保険・廃車・休む事になった仕事の手続きとかやらなきゃいけない事があったおかげで、とりあえずテンションを保っていられたというか、必死でいられた。
 
 
でも数日が過ぎて犬の世話以外にやることが無くなって、そうなると自然に『なんでお前が生きちゃってんの?』というシンプルな疑問が頭に浮かび始める。人乗せて事故っておいて、それも自分を育てた父親の骨折って、まだ生きてるの?と。
 
この自殺願望とも希死念慮とも違うけれど、自分が存在していることに対する違和感を持ったまま、配信の初日を迎えていた。
 
 
配信を観るとか観ないとかそんな状況にないわたしに、今日セクゾのライブでしょと言ったのは、他でもない父親で、だけど電話越しに言う声に、どう返していいかわからなかった。でも、いつまでも落ち込んでるのも心配だし家にいてどうせ暇なんだから観なよって父親は笑って言った。
(娘の好きなアイドルのライブ日を把握してるくらいだし)父親の他人への理解が尋常じゃなさすぎて、なんか呆然としてたと思う。
 
 
そんな言葉もあって、とにかく配信の初日を観た。
 
極東DANCEから始まったライブの最初の30分間、わたしはSexy Zoneがあまりに輝きすぎていてむしろ余計に辛くなっていた。
100%自業自得なんだけれど、こんなにも自らを他人に与え続けて幸せにして社会に貢献している人がいる一方で、自分はマジでなんてことをしたんだという呵責がもう凄くて。
学生服風の衣装に変わったセクションでも、思い出や夕焼けとか、目に見えるものが綺麗であればあるほど苦しくなっていた。
 
 
そして迎えたメンバーのソロコーナー、中島健人さんの次に出てきたのがマリウスさんで、一目見た姿がもうすでに私にとって一番美しくて、その時はやっぱりまだ辛かった。
 
 
マリウスさんは歌いだす。
 
甘くて柔らかなハミングがスピーカーを通じて家に響いた。
深く澄んだ、芯のある、優しい彼の声には少し緊張がにじんでいたように思う。
 
 
もう何度も聴いた曲は、全然英語なんて話せない私にもその歌詞の意味がすっと頭に入ってきた。
語りかけるように歌う声に、私はただただ泣いた。
 
 
歌の冒頭、英語で「お父さんは教えてくれた、正しい善悪なんてないと」と歌われる。
「過去を見つめ続けなくていい、未来を見ることもなくていい」と歌われる。
「正解?不正解?普通さえもない」と歌われる。
 
きっとわたしは事故を起こしてなかったら、そうだよねとマリウスさんの言葉に心を浸して、その歌に夢中になれたかもしれない。
だけどこれを聴いたところで、自分自身を許せない気持ちは変わらなかった。折った骨はくっつかないしボコボコになった車も戻らない。その責任は何があっても自分にあって、全部わたしが悪いという気持ちは今でも変わらないし変わってはいけないと思う。
簡単に許されるべきことじゃないと思う。
 
 
でも、
得体の知れない希死念慮に似た、自分の存在への違和感のようなものが、固結びされていた靴紐が解けるみたいに薄くなっていく気がした。
 
許された訳でも、自分のやったことが消えたわけでもないんだけど、
なんというか、『ただここに生きてる』ということは、誰に許されなくても、肯定も否定もされずに『あり続ける現実である』ということを、教わったような気がしたから。
 
 
落ちサビの前にこんな歌詞がある。
 
"if we know who we are we're fine" ※
自分が誰であるか、それを知るだけでいいと。
 
この言葉の意味を知った時、この曲を歌うマリウスさんの姿を見終えた時、事故の日からはじめて「生きててよかった」と思った。
事故の後なんども父親に言われた『死んでないんだから大丈夫、生きてるから』の意味がようやくわかった。許されないまま、自分のことも許せないままだけど、生きていてよかった。生きていても良いのかもしれないと、思えてよかった。
マリウスさんの歌を聴けてよかった。あの日、all this timeを歌うあなたを観ることができて、本当によかった。
 
 
 
マリウスさんは今、芸能活動を休止している。
ご自身の身体と心を休めるために、健康で幸せでいられるように、お休みをしている。
 
きっと他のファンの人も言わないようにしているかもしれないけれど、実はめちゃくちゃ寂しい。
 
だけどわたしは、もうあなたに一度命を助けて貰っているから
そんな恩人でもある相手に、自分の寂しさのためにアイドル続けて欲しいとか、もう一度もどってきてとか、言えないよ。
 
マリウスさんが心から好きなことをして、いくつもの大切なものや愛するものと過ごしてくれればそれでいい。
わたしがあなたに貰ったように、この先いくつもの「生きててよかった」を味わって欲しい。
 
 
とにかくいつまでも幸せでいてくれますように。
 
ほんとうに大好きです。
21歳のお誕生日おめでとうございます。
 
 
 
 
でも心のどこかでいつもあなたの姿を探してしまうことだけは、許してれると嬉しいです。
 
 
 
2021.03.30
 
 
 ※の詞はフルサイズにあってライブでは流れてません 、わかりにくくてすみません 
 
 
 
 
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ちなみに父親は3/25(木)にリハビリを終了しました
昨日エヴァンゲリオンの舞台挨拶ライビュ付き上映いったみたいです、元気です